産学連携支援センター埼玉 大学力広域結集セミナー
  岩手大学

 ものづくりに活かす先端技術セミナー 出席報告 

電気電子情報科会東京支部 支部長 澤藤隆一


産学連携支援センター埼玉が「大学力広域結集セミナー」として岩手大学ものづくりに活かす先端技術セミナーを開催クリック
2007年11月16日(金)14:30〜受付、15時からさいたま新都心ビジネス交流プラザ(埼京線北与野駅前)4階会議室にて行われました

◎岩手大学における産学連携への取り組み  地域連携推進センター長 千葉 則茂教授
◎分子接着技術による物造 副学長・工学部応用化学科 森 邦夫教授
◎閉領域への自由曲面の当てはめ手法 工学部情報システム工学科   今野 晃市准教授
◎金型の研磨・研削技術 工学部機械工学科 水野 雅裕准教授
◎高機能鋳鉄の鋳造と複合化技術 工学部材料物性工学科 平塚 貞人准教授
最初に(財)埼玉県中小企業振興公社常務理事の神保秀久氏から挨拶があり、続いて上記プログラムの通り、岩手大学地域連携推進センター長である千葉則茂工学部情報システム工学科教授から30分づつ講演がありましたが、中味の濃い内容だけに、大変急ぎ足でもっとじっくり聞きたい内容ばかりでした。参加した人たちにとっても、これからの日本のものづくりにとって勇気をいただいた内容であったと思います。内容は、今日本が強い製造技術の根幹にかかわるもので、大学の研究が日本製造業の根幹を支えていることが実感されました。今月末からはまた大連理工大学に出かけて交流を図るとのことでした。なお、上記講演者のほかに下の写真のように地域連携推進センター事務局の今井潤准教授(岩手ネットワークシステム:INS)、同じく中戸川明弘客員准教授(大連理工大学 国際連携 技術移転室 文部科学省産学官連携コーディネーター)が参加されました。岩手大学の皆様はこの日のうちに大宮からはやてで盛岡に帰られました。

浜田光夫と吉永小百合
Cupola,where the furnaces glow
キューポラは炉が照り映えるところ
材料物性工学科の平塚貞人准教授は鋳物の町川口を舞台とした「キューポラのある街」を採り上げて、まずは埼玉県民に配慮を示されました。奥州市にある鋳造技術研究センター長でもあり、日本で唯一大学院で鋳造に関する専攻があるのが岩手大学です。今年の金属物性科会総会は初めて東京で支部と合同で開催されました。そのときに総会にもお見えになりました。そのときの模様は→クリック
ところで「キューポラのある街」は1962年日活/浦山桐郎監督の映画で、なんとあれからもう45年も経ったのですね。15歳の中学生ジュン(吉永小百合)が貧しいながらも明るく生きる物語。キューポラとは、鋳物工場の屋根についている鉄板でできた特殊な煙突のこと。鋳物工場の街、川口市を舞台にした早船ちよの原作を映画化した作品。
この映画を改めてDVDで見ると、貧しいことは幸せなのではないかと思えてきます。物がたくさんある現代、犯罪の増加した社会、本当の豊かさとは何だろう?私たちは物の豊かさと引換えに、心の豊かさを失ってきたのではないでしょうか?貧しいのはもちろん幸せではありません。しかし貧しい環境でも明るさを失わない、在日朝鮮人姉弟との友情、貧しさを脱しようとする目的があることこそ幸せなのでしょう。
 
川口駅前にある、「働く歓び」の像は、今から30年以上も前に、川口青年会議所の創立10周年を記念して「鋳物」と働くことの素晴らしさを表現したもの。溶鉱炉で溶かした銑鉄を受けるための「湯汲(ゆくみ)」と呼ばれる柄杓(ひしゃく)で職人が鋳型に銑鉄を注ぎ込む「注湯(ちゅうとう)」という作業を行っているところ

岩手大学関係者の合同記念写真
左から水野雅裕准教授、中戸川明弘准教授、エンプラス秋山さん、森 邦夫 教授(副学長)、平塚貞人准教授、澤藤隆一東京支部長、
今井潤准教授、
千葉 則茂 教授(
地域連携推進センター長、斉藤弘美埼玉県中小企業振興公社産学連携支援部長、今野晃市准教授