平成20年度一祐会総会の模様



 平成20年度一祐会総会は盛岡で行われ、電気電子情報科会東京支部からは澤藤支部長が出席しました。以下報告します。

日時 平成20年5月17日(土) 14時より
場所 エスポワールいわて 盛岡市中央通1-1-38 TEL:019-623-6251 
(1) 講演会 14:00〜15:00
  講師 岩手大学学長・平山健一 氏
  演題 「法人化した岩手大学」
(2) 総会 15:00〜16:00
(3) 懇親会(会費:5,000円) 16:00〜18:30
講演会] 平山健一 岩手大学学長 「法人化した岩手大学」
 法人化によって学長、理事が役員となり、権限が強まって、学部長が教授会との間に挟まって、待遇も良いとは言えない。したがってなり手が減ってきた。工学部では金型・鋳造専攻に学ぶ学生10人のうち1人しか地元に残らなかった、これは残念である。Iターン、Uターンして欲しい。金型技術研究センターの運営には北上市、鋳造技術センターは奥州市、複合デバイス技術研究センターは花巻市からの支援を頂いている。盛岡市は岩手大学構内に産学官連携研究センターを設置している。北東北3国立大学法人(弘前、岩手、秋田)は連携しており、岩手県内の5大学(岩手、岩手県立、岩手医科、富士、盛岡)と一関高専や研究機関も連携しており、地元との連携も、岩手県、各市町村、銀行・信金などの金融機関との間で活発に行われている。報道機関が調査した「地域産業イノベーション能力評価」で岩手大学は堂々全国1位に輝いた。

平山健一氏

 工学部は善戦していると思う。しかし組織が存続する保証は無い。農学部もそれなりに有名だし評価されているが、文部科学省から毎年1%ずつ支給金額が減らされている中で、教育学部や人文学部は外からお金を持って来れないし、またそういう性格の学部でもない。学生も少子化で減ってくる。教職員も減らさざるを得ないところも出てくるだろう。いまや各学部は存続を掛けた総力戦の渦中にある。これを乗り切るためには、全構成員の力を引き出す必要がある。教職員にはABCDEの5段階自己評価をして貰っている。目的の共有と大学意識の深化のためである。この結果、農工の教職員は自己に厳しいが、他の学部は甘いという結果が出ている。「本当かな?」という気がする(笑い) 
 小泉元首相は「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(「ヨハネスブルグ・サミット」)(2002年)においてESDを提唱した。Environmental Sustainable Development、環境に配慮した持続可能な開発にとって、人づくり、教育の重要性を強調した「小泉構想」(開発・環境面での人材育成等の具体的支援策)の実施を通じた日本の貢献の決意を表明した。岩手大学はまさにその精神が必要だと思う。フルセット主義から個性派へ、岩手大学がリードする持続性のある地域社会作りがいま、まさに求められている。

[審議事項] 議長…栃内 淳志氏(冶金25年)

議  案

提議者

結果

議案1.平成19年度事業報告 田山 典男氏(電気41年) 原案通り可決
     平成19年度決算報告 山口 勉功氏(金属61年) 会計監査報告高橋勉氏(機械39年)
原案通り可決
議案2.平成20年度事業計画(案) 田山 典男氏(電気41年) 原案通り可決
     平成20年度予算(案) 山口 勉功氏(金属61年) 原案通り可決

議案3.平成20、21年度役員の選任(案)

田山 典男氏(電気41年) 原案通り可決

議案4.その他

活発な意見交換が行われた

[総会の模様]

栃内淳志議長のもとで総会議事進行 会計報告する山口勉功氏、手前は太田原功会長と田山典男事務局長

 一祐会の役員任期は2年であり、今年は改選期であった。会長:太田原功(電気30年)、副会長:小櫻 忠夫(採鉱22年)、栃内 淳志(冶金25年)、渡邊 喬(機械39年)、阿部 四朗(応化39年)の各氏。事務局長は藤田 尚毅氏(機械45年)。会計監事は高橋 勉(機械39年)、高橋 健一(情報54年)、古住 光正(資開43年)の各氏。理事52名、うち常任理事13名、就職支援担当は出戸秀明(資開51年)、他は清水健司(応化47年)、七尾 英孝(応化H6年)、山口 勉功(金属61年)、晴山 巧(材物H9年)、谷口 宏(電子45年)、會澤 純雄(応化H6年)、千葉則茂(電気50年)、恒川佳隆(電気55年)、佐藤 信(電子57年)、大坊真洋(情報H11年)、内舘道正(機械院H11年)、小山田哲也(建環H8年)の各氏。
 冒頭太田原会長から一祐会運営の会計運営の厳しい現状が報告され、維持会費の納入について未だに納入されていない会員への各支部総会や同期会等での働きかけのお願いがあった。また会計監事の高橋 勉氏(機械39年)が会計監査報告としては異例の報告をして、新入生会費納入が2年連続で減り、お願いはしているが、強制はできない旨の話があった。これについては事務局より、副会長中心に「一祐会に入って何のメリットがあるか?」の具体的プロポーズの検討をしていると報告があった。また、維持会費を納入していない人に対しては、「あなたは納入されておりません」という一文を「北杜」送付の際に挿入しているとの説明があった、新入会員の未納入は、学生本人というより出費元である親の意識の問題があり、給食費すら払わないという親が出てきている現状と無縁ではないというささやきが、会場の中で聞かれた。何故この2年で急減しているか?については理由が判らないとのことであった。


[懇親会] 総合進行…藤田 尚毅氏(機械45年)機械工学科学科長です
 懇親会では太田原会長が叙勲時の東京の寒さで体調を崩されたら しく、やっとの思いで総会に出て来られた模様。喉も傷めておられ、小櫻 忠夫副会長に冒頭の挨拶を代わって頂いたほどであった。司会の藤田先生(機械工学科の学科長)から太田原会長叙勲の紹介があり、太田原先生から極短いお礼の挨拶があった。馬場 守教授に代わって工学部長に就任した堺 茂樹教授(建設環境工学科)が、「私のようなものが工学部長とは・・・」と謙遜の挨拶をされた。また下記写真のように6月4日で任期を終えられて退任される平山学長を労う声が上がった。また、澤藤隆一東京支部長も壇上で東京支部の活動報告をしたが、終えたら平山学長が歩み寄って来られ、「電気電子情報科会東京支部は大学を常々支援してく れて大変有難う」と力強く握手してくれて、太田原会長が、「 この支部は本当に良くやってくれるんですよ」と口添えされていた。このようにきちんと我々の活動を見ていてくれていることに感激した。


工学部長の堺 茂樹教授

長澤寿八氏(鉱山39)が平山学長をねぎらう演説


函館支部の三浦 守氏(電気37)

八戸支部の工藤隆男氏(電子51)

北上支部の小笠原義照氏(電気22)

平山学長や太田原会長、堺工学部長、小川智応用化学科学科長などメイン席 会場のあちこちで話に花が咲く