柏葉安兵衛教授ZnO青色LED量産化へ道

 

 柏葉安兵衛先生とその研究グループが酸化亜鉛(ZnO)を使った青色LEDを従来製法より簡単で量産化可能な方法での開発に成功したと大々的に新聞報道され、TVのニュースでも紹介されました。酸化亜鉛は、青色発光ダイオード(LED)の新素材として世界中から注目が集まっています。従来ガリウムヒ素半導体が持つ特性が発光ダイオードや携帯電話などの高周波通信用ICに最適のため、その生産量はうなぎ上りですが、難点は高価なことです。それもそのはず、GaAs結晶成長にはすごい設備が必要で、しかも長い時間をかけて超低勾配の温度(圧力)制御が必要です。酸化亜鉛は安価なだけに、これを応用した製品が実用化されれば画期的なことです。 岩手県は戦略的技術開発推進事業として酸化亜鉛単結晶基板の応用化研究(ZnOプロジェクト)を推進しています。世界で初めて安定的にp型ZnO薄膜による青色LEDの発光に成功した東北大金研の川崎教授の他、山梨大の中川教授など多くの方がこの方面では有名ですが、岩手大学、岩手県工業技術センター、仙台電波工業高等専門学校のグループは柏葉安兵衛教授を中心として研究に注力し、「反応性蒸着法によるZnO薄膜の作製」や「反応性蒸着法によるZnOホモ接合ダイオードの作製と発光特性」といった学会発表をこの8〜9月に行って来ました。そして10月、記者発表してこれを共同通信社が配信して全国にこのニュースが流れました。

 この件については当科会相談役の細川 哲男氏よりメールで平成17年10月14日の「盛岡タイムス」に掲載された「青色LED量産化へ道」という新聞記事が下記の通り送られてきました。有難うございます。また、細川さんによれば、13日のTVでもニュース報道されたとのことです。

 なお日本経済新聞東京版でも10月14日15面に掲載されたと山田 均東京支部副支部長から電話がありました。下記山田さんが送ってくれました。

10月14日日本経済新聞朝刊15面

このニュースは盛岡タイムスや岩手日報はもちろん、産経新聞、東奥日報、神戸新聞、山陽新聞、徳島新聞、京都新聞、大分合同新聞などにも掲載されたようです。IBC岩手放送のホームページでは10月13日のニュースに掲載され、「音データでダウンロード」して聞くことができました。

[主要記事] 盛岡タイムス 青色LED量産化へ道 岩手大学の柏葉教授が酸化亜鉛でプラズマ生成
岩手日報 酸化亜鉛LED開発 岩手大グループ

 ところで余談ですが、発光ダイオードは色の三原色「赤・青・緑」と3種類あり、波長の長い赤の発光ダイオードが西澤潤一先生によってまず開発されました。西澤先生の東北大学の教え子が民間企業の研究者として競ってその量産化に貢献しました。さらに緑の発光ダイオードも西澤先生のグループが開発しました。この人は元東北大学長で、1998年4月〜2005年3月岩手県立大学長を務められました。4月から公立大学法人となった岩手県立大学の副学長は言わずと知れた太田原 功先生であります。

 その後、ノーベル賞級の発明とされる窒化ガリウムを用いた青色発光ダイオードを日亜化学工業(徳島県阿南市)に勤務していた中村修二さんが開発しました。この人はその後米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授となり、元の勤務先と青色LEDの発明に見合った対価として200億円の支払いなどを求めた訴訟を起こしたことは記憶に新しいところです(その後和解)。

 この2人の共著「西澤潤一,中村修二『赤の発見 青の発見』(白日社,2001)」という本があります。

佐藤淳先生叙勲祝賀会結果報告

柏葉安兵衛先生は本祝賀会発起人会の中心メンバーです。ついでに?お祝い(^-^)

News!!  祝賀会のページは → こちら です

News!!  祝賀会は平成17年11月12日(土)15時、場所はアルカディア市ヶ谷(私学会館)